完敗

2005年2月1日 日常
さて・・・。遅れて登場。中編。

白い煙は廊下挟んだ向かい部屋から流れでた火事の煙。
正にそれを漂わすくらい大量の白煙。
錯乱状態ながらも判断は正確な母親が携帯を取り出して電話をかける。
うちは保険会社の人の中に知り合いが居て、その信頼出きる人に電話をかけた。
・・・が以前言ったように出かけた時間はAM3時。
出てすぐの話だから、そう時間はかかっておらず、深夜のままだ。
つまり相手も寝ているわけでして。繋がらないわけでして。
それがキッカケとなり余計に錯乱状態に入る。
それでも母は明確な判断を取っていた。
サイドミラーを確認し非常電話を咄嗟に見つけ、後方の車の邪魔にならないよう間が他よりある場所を選択し、そこに停車させる。
そのまま後方から来る車にぶつからないよう確認して車を出て
非常電話から電話をかける。そこまでの間僅か1分。
普通の出来事だけど非常事態に取った行動としては明確だった。
電話最中、俺と妹は車内に居た。
はっきり言っていつ爆発してもおかしくなかった。
白煙は今尚モクモクと満ち溢れ、車内にも多少入ってきている。
扉を開ければ余計に入り込んでくる。
どうしようかどうすればいいか。意外にも俺は冷静だった。
それもそのはず。先程まで寝ていた俺だからまだ状況がわかっていない。
だから焦って謝った行動を起こすパニック状態に陥っておらず
冷静に物事を判断できるくらいの穏やかさを持ち合わせていた。
だから俺はとにかく運転席まで移動し、鍵を捻ってエンジンを停止させる。
助手席に座っている妹はもう完全錯乱状態。
暴れはしなくとも、何も出来ずうろたえている。
ただ無言を身に纏って震えている。どうにかしないといけないのだ。
エンジンを止めた事によって白煙は自然と勢いが衰えてきた。
それによって可能になったのは車内に染み込んだ白煙の異臭を追い出すための扉開放。
その瞬間寒い冷気が、風が入り込んでくるがこの異臭はたまらない。
それよりも俺は下りて母親の方に駆け寄った。
母親の方は一旦ケリがついたようだった。
電話により道路公団が来てくれることになった。
とりあえずは安心なのだ。
安心だけど100%の安心じゃないから不安は過ぎる。
何せトラックの通る風圧で車が揺れているのだ。
高速道路だけあって高速で走るトラックの風圧は横から来る風でも凄いようで。
中に居る妹は余計に脅えるからとりあえず母が慰めて連れてきた。
3人非常電話の前で立ち往生。車は白煙出ないとはいえ爆発の危険性は否定できない。
しばらく眺めているだけの展示品となっていた。

道路公団が来たのは5分くらいしてからだった。
母は道路公団の二人と話していた。
俺はというと冷静だったが、焦っていた。
何にというと妹にかける言葉が思い当たらなかったからだ。
俺は状況判断は出来る。そこらへんは冷静だ。
しかしこんな時ちょっとした慰めも出来なかった。
「大丈夫。どうにかなるから。」
道路公団が来て確信に近づけるようなこの言葉も思いつかなかった。
正直扱いがわからなかった。どうにもできなかった。
俺はただただ立ち尽くし、妹はひたすら震えていた。

保健の人の話ではレッカー車が安全な場所に送る代金。
これが40km以内なら無料。それを1mmでも越えると有料らしい。
それに俺達は明日出勤の父親を呼んでいる。
母の車でこちらに駆けつけてきてくれているのだ。
それで今レッカー車が来てとりあえず高速下りるとする。
当然Uターンなんて高速で出来ないから次の場所まで行かなければならない。
その条件下で下りて近くで居る。父が来るの待つ。
その待っている料金というものがかかるのだ。
これがまた凄いらしい。かなり痛いことを言うもんだ。
知り合いじゃなかったら隠して言うだろう。それも痛い。
それにUターン出来ない=次の下り場で下りなければならない。
こうなるとレッカー車に連れていってもらわなければならないわけで。
その値段もまたバカにならないらしい。これは多額だ。
母親は衝撃を受ける。ついでの追い打ちとして道路公団が
「連絡取れたなら・・・」と帰ろうとしていた。
そこを母が「すみません。恐いんで待っていてください」といった。
これが良かったのだ。
道路公団がそれから数分して「僕達が牽引しましょうか」と言ったのだ。
あまりに可愛そうと思ったから。
何故なら妹が予想以上に震えて脅えて縮こまっているからだ。
妹も意図的にやったわけじゃないが、これのお陰でこうなった。
それからは道路公団の人が次の下り場まで牽引してくれた。
途中カーブやらトラックの風圧やらで揺れたのは恐かった。
何せこちらはエンジン付けてないから自由に動けない。
ブレーキ踏んだら牽引してくれている道路公団に迷惑だ。
という事で母はガードレールにぶつかりそうになっても
必死でハンドルきって無傷で事を成し遂げた。す、凄い。

えーと。とりあえず中編。

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