探索物(1)

今日はひな祭り。
自分には全く関係ない日にある物を見つけてしまいました。
なんとそれは親からの手紙と親宛の手紙でした。

中2の自然学習で自分達は先生に
「親からの手紙を読んで、親にその心を手紙にして書いてやれ。」
といわれました。
2学年全員が書いている中、自分はその手紙を見て感動しました。
あんな短気で頑固で鬱陶しい父親がこんな事を書いているなんて・・・。
あんなすぐに怒って注意が五月蝿い母親がこんな事を書いているなんて・・・。
正直信じられませんでした。
自分の短気さと言葉遣いを悔いる父。
自分の息子の優しさがあるからこそ
保って欲しいがために注意などをしたりする母。
この2人の文を読んで自分は心のままを書きました。

それから自然学習から帰ってきた時
ちょうどその日が手紙の届いた日でした。
ですが、親より自分の方が速く帰ってきたせいで
手紙は親よりも先に自分の手が触れてしまいました。
そして自分はこの文が恥ずかしくなってそのまま部屋に隠しました。

そして2年後。現在偶々模様替えしていた自分は
2つの手紙を見つけてしまいました。
今は自分が書いた手紙の内容を覚えておりません。
見るとのり付けされたままで開封されておりません。
つまりあの時の自分しか内容を知らないのです。
親はこの存在を知らず、自分は内容を知らず・・・。
ただ恥ずかしさは覚えているので、結局今も渡せません。
多分就職して立派に成ってからこの手紙を渡すと思います。

その時までこの手紙は永久封印です。